日本の利上げにより円キャリートレードは終わるのか？

こんにちは。

今日は、日本銀行の利上げのニュースがほぼ確定的となり、円の価値が上昇した場合に何が起こるのかについて考察してみます。

まずは、日本の利上げの背景について説明します。

日本では、1月24日午前3時に新たな金利政策が発表される予定で、上田総裁は現在の金利（0.25%）を0.5%へと25bp引き上げる可能性があることを明らかにしました。その背景にはどのような要因があるのでしょうか？以下で詳しく見ていきます。

1. 賃金上昇とインフレーションの連動
日本では長年にわたり賃金停滞が経済の低成長を引き起こす主要な要因とされてきました。
最近では、日本企業が賃金を引き上げる動きが見られ、それが物価上昇（インフレーション）を持続的に維持する重要な要素となっています。
日本銀行（BOJ）は、物価目標である**2%**の達成とその安定的な維持のために、賃金上昇が必要だと強調しています。
賃金上昇が続くと、消費者の購買力が拡大し、需要が刺激されることで、物価上昇が固定化される可能性があります。これを抑制するために利上げが必要となる場合があります。

2. 2024年春闘（賃金交渉）
日本では毎年春に、主要企業と労働組合が参加する**春闘（賃金交渉）**が行われます。この交渉は日本の労働市場における賃金水準を決定づける重要なプロセスです。
2024年の春闘では賃上げが実現され、日本経済にとって良い兆候と解釈されていますが、同時に物価上昇圧力を高める要因としても働く可能性があります。
こうした状況下で日本銀行が利上げを行う場合、それは賃金と物価上昇が相互に連動する**賃金・物価スパイラル（wage-price spiral）**を抑制するための措置と見なすことができます。

3. 円安の緩和
日本は長期間にわたる超低金利政策の影響で、円が主要通貨に対して安値を記録してきました。
円安は日本の輸出企業にとって有利に働く一方で、輸入物価の上昇を通じて消費者物価の上昇を引き起こす負の影響もあります。
利上げを行うことで、円の価値を安定化または上昇させ、輸入物価の負担を軽減しようとする意図があると考えられます。

4. リングギットで円を購入し利上げ後に利益を得ることは可能か？
日本円は低金利通貨であり、安全資産の性格を持っています。そのため、世界的な不確実性が高まると円が強含む傾向があります。 一方、マレーシアリンギットは原油やパーム油といった原材料価格と密接な相関があり、原材料価格が上昇するとリンギット価値の上昇につながります。

JPY/MYR チャート.

5. 円キャリートレードの終焉について
日本が金利を引き上げた場合、これまでの低金利を活用した円キャリートレードが減少する可能性があります。
円キャリートレードとは、低金利の円を借りて、高金利の他通貨や資産に投資する戦略です。日本が利上げを行うと、この取引の収益性が低下し、巻き戻しが発生する可能性があります。
これにより、短期的に円高が進行することが考えられます。

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結論
日本の利上げは円キャリートレードに影響を与える可能性が高いですが、それが完全に終了するかどうかは世界的な金利差、リスク回避の動向、そして日本銀行の将来の政策次第です。短期的な円高の可能性を考慮しながらも、投資戦略は慎重に設計する必要があります。